音楽に長く携わっていると、音楽を通して世界を見ていることが多いことに気がつきます。
つまり、バッハが住んでいた街、ショパンの友達の画家、小さなドビュッシーがピアノの先生の家へ通っていた頃のパリ、などなど、、。さらに詳しく深入りしたくなり、このサロンが生まれました。毎回、時代、または焦点をあてる人物を設定し、同時代の美術をはじめとした芸術の話と共にその時代の息吹を感じ、その音楽家の人となりを肌で感じてみようと言う試みです。さらにその頃演奏されていた知らざれる作品を試弾してみるコーナーもあるという充実したサロンを年2回開いています。是非サロンを訪ねてみてください。何かを発見できるはずです!
秦はるひ

ピアノ音楽を聴くということには、二つの側面があると思います。ひとつは演奏家の魅力を発見すること、そしてもう一つは、作曲家の生きた過去へと想像力を飛翔させることです。演奏家の魅力はダイレクトに感じられますし、演奏家の魅力発信は今日でも盛んにおこなわれています。しかし、過去の作曲家が生きた世界に想いを馳せるには、専門家によるガイドが必要なうえ、講演会はすこし敷居が高いと感じられるかもしれません。このサロンでは、音楽とさまざまな芸術の専門家のお話とすばらしいピアニストたちによる演奏に半日かけてじっくりと向き合うことで、演奏家と時代の魅力を味わうことのできる機会を提供します。
演奏される曲は多くが、「ほとんど知られていない」(フランス語で peu connu と言います)作品です。でも、サロンに参加した後には「本当は価値があるけれど知られていない(méconnu)、びっくり!」という印象に変わる曲や作曲家を(再)発見できるかもしれません。発見の悦びを分かち合う、唯一無二の時間と場所になるよう企画していきます。
上田泰史