第2回アトリエ・アッシュ アートサロン終演のご報告

皆様こんばんは、新年度となり何かと目まぐるしい日々が続く中、いかがお過ごしでしょうか?
さて、半月前の3月30日に開催されました【第2回 アトリエ・アッシュ アートサロン】は、盛況の中無事に終了することができました!
今回は春休みということで、たくさんの学生さんもいらしていただき、とても興味深いお話を聞くことができたのではないでしょうか。
今回は当日の様子をピックアップして報告いたします。こちらの記事を目にされた方は、少しだけ時間をいただけると嬉しいです♪

■1.レクチャーの部 10:30「パリ国立音楽院ピアノ科教授ヅィメルマン教授のクラスと彼の国際音楽サロン(1830~1845)」
第1回と同じく、上田康史先生による講義を2時間たっぷりと聞かせていただきました。
フランス音楽やドイツロマン派等からくる音楽区分の先入観を取り払い、もっと単純な、パリという社交場に夢を持ってやってくる若者たちの世界をのぞけたことで、作曲家が身近に感じられた講義でした。
サロンはまさに「青春」だったのですね。また、「作品を発信する場所を提供する」という観点から、パリ国立音楽院教授ジョゼフ・ヅィメルマンがやっていたことは、現代と何一つ変わらない一番重要なことなのだと痛感したりしておりました。
先生のご著書はこちらで購入できますので、どうぞリンク先をご参照ください。
「パリのサロンと音楽家たち」19世紀の社交界への誘い

■2.レクチャーの部 13:30「ロマン主義美術館とアリ・シェフェール」
昼休憩のあとは、上田あゆみ先生による講義でした。
パリの中心部9区にあるショセ・ダンタン地区。そこにあるロマン主義美術館はパリを訪れた際に行かれた方も多いと思います。
恥ずかしながら私は、ショパンやリストの肖像画を描いた画家の自宅だったなという記憶があるだけでしたので、画家アリ・シェフェールのアトリエとしての視点から音楽家の世界に触れられる貴重な機会でした。

■3.名曲探訪コーナー14:30~
今回の試演会は、前回以上にたくさんのピアニストが参加してくださいました。
小さなお子様が弾けるようなかわいらしい曲から美しい旋律、技巧的な練習曲に至るまで様々な楽曲たちが皆様の個性により奏でられ、和やかで楽しい2時間を堪能できました。「サロン」の空間を少しだけ疑似体験できた気がします。
秦先生の弾かれたコンツキの練習曲一番は、右手2345の指の練習に最適ですね。活用したいです。
個人的な話で恐縮ですが、私が弾いた曲はヒラーのカプリスでした。前回同様、派手なオクターブ連打の曲でしたのでだいぶオクターブ連打への耐性がつくことができました(笑)。

カプリスというよりはバラードのような抒情的なメロディもとても素敵で、ヒラーがショパンやリストとマブダチトリオだった証左だったように思います。
さて、次回のアトリエアッシュはサン=サーンスのようです!没後100周年の今年、勉強会ではどのような視点から学べるのか、今からとても楽しみです。

記:小林えりか